この飲食費は“交際費”?仕事関係で飲食した際の判断

2018年12月27日(木)
法人において、交際費については金額の一定額は損金算入(経費)とされます(※1)。ただし、5,000円以下の飲食費で要件に合致するものであれば『交際費に該当しない飲食』として全額を別の経費とすることができます。5,000円以下であれば何でもOKというわけではありません。今回は支払いが想定される場面ごとに、税法上の扱いを検討してみましょう。

(※1)資本金1億円以下の法人(資本金5億円以上の法人等による完全支配関係がある子会社を除く)については、2020年3月31日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額のうち「年800万円以下(全ての交際費等)」または「接待飲食費の50%(接待飲食費以外を除く)」の額までは、損金算入(経費)とされます。資本金1億円超の法人(資本金1億円以下であるが、資本金5億円以上の法人等による完全支配関係がある子会社を含む)は、「年800万円(全ての交際費等)」までは、損金算入(経費)とされます。

1.交際費とは?
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答等のために支出するものをいう。ただし、次に掲げる費用は除かれる。

①専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
②1人当たりの金額が5,000円以下の飲食費で、所定の事項を記載した書類を保存しているもの
③カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐい等の物品を贈与するために通常要する費用
④会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用

2.取引先の接待など、社外の人との飲食の場合
『交際費に該当しない飲食』
・1人当たり5,000円以下の飲食費(※2)で、所定の事項を記載した書類を保存しているもの
⇒すべて経費に算入(『会議費』など、『交際費』以外の経費にできる)。1人当たり5,000円以下の飲食費の判断の仕方は「飲食費として支出した合計額÷その飲食等に参加した人数」となります。この計算をした結果、1人当たりの金額が5,000円以下であれば全額を経費に算入できます。
 この金額は一次会、二次会それぞれの店舗ごとに計算します。この場合、必要な手続きとしてその飲食の内容を示す領収書と飲食した得意先等の氏名や参加人数等を記載した書類を保存しておく必要があります。領収書を受け取る際に記載してもらうか、領収書の裏面にメモを書き残すようにしましょう。
(※2)税込経理を採用している会社は消費税を含む金額で単価を判定、税抜き経理を採用している会社は消費税を除いた金額で単価を判定します。

『交際費に該当する飲食』
・1人当たり5,000円超の飲食費(5,000円を超えた部分ではなく全額)
・飲食物の詰め合わせを贈る
・特定客を招待した記念パーティーでの飲食
・接待ゴルフでの飲食
⇒『交際費』

3.社内の役員・職員間の飲食の場合
『交際費に該当しない飲食』
・社員が等しく出席できる、社員の慰安のための忘年会等年中行事での飲食
・創立記念や新社屋落成記念などの行事で社員に出した食事
⇒『福利厚生費』としてすべて経費に算入

『交際費に該当する飲食』
・視察のために来社した本社の部長の接待での飲食
・忘年会の後、特定の社員だけでの二次会での飲食
⇒『交際費』

4.会議、商談に伴う飲食の場合
・会議の席での昼食
・来客応対する際の茶菓子等
・喫茶店での商談時の飲み物代
⇒『会議費』としてすべて経費に算入

いかがでしたでしょうか?会議や商談に伴う飲食費は、社会通念上、常識的な範囲であれば交際費とはならず会議費として経費に計上することができます。その際は「会議としての実態を備えているか」等を考慮する必要がありますので、会議の議事録などを整理しておくことが望ましいと言えます。また、社内の懇親会や忘年会などの役員、社員間だけの飲食費は福利厚生費となりますが、大半の社員が参加しており通常要する程度の費用に限ります。より詳しく知りたい場合はお近くの税理士にご相談ください。